宅建士試験ってどんな内容なの?
「3か月で合格できた」なんて記事もあるけどホント?
30代・40代にオススメの人気資格でウェブを検索すると、大体出てくるのがFP技能士や宅建士ではないでしょうか?
それはどのような記事でも触れられていますが、筆者のように異業界に勤めて続けていると「宅建」「FP」という単語を見ても何のことかサッパリ。詳しく知ったのはここ数年の話で、20代の頃は知ろうとも思いませんでした。
時代は令和になり、コロナ禍により自宅で過ごす時間が多くなったためか、空前の資格取得ブーム。そのなかでも宅建士は非常に人気があり、受験者数は過去最高を記録し続ける人気振りです。
それだけ受験者数が多いのだから合格者も多いと思いきや、受験者数の17%程度の合格率となかなかの難関資格です。300時間で合格できると言われていますが、そこまでやさしい試験では無いと筆者はみています。
あらためまして、本記事を執筆する私の自己紹介をいたします。
※合格後の実務講習や登録については以下の記事で紹介しています。合わせてご参考ください。
さて、本記事では筆者が宅建士を取得するに至ったきっかけや、宅建士試験の概要や出題範囲、筆者が合格した際の勉強方法についてご紹介いたします。
筆者はなぜ宅建を取ろうと思ったのか?
どのような雑誌・Web記事を参照しても、30代・40代のミドル世代が取得すべき資格として推奨される宅地建物取引士。
どうして推奨されるのかといえば「年代を問わない求人の多さ」や「年収の高い求人が多い」ことに尽きるのではと思います。
実際、求人サイトを眺めていると不動産の求人は山ほどあるので、働き口には困らないのではないかという印象を受けました。
筆者も魅力ある求人の数々に転職を考えたことがあり、
合格後は宅建ジョブエージェントの面談を受けたことがありました。
さて、筆者も取得に向けて動き出したのは30代も折り返しを過ぎた頃ですが、取得しようと思ったきっかけは「住宅の購入」でした。
賃貸住宅を借りた、あるいは住宅購入をした経験がある方なら分かると思いますが、これからの新しい生活を夢見ていくつかの物件を内見するのはとても楽しいんです。
そのような経験を今度は自分がお客さまに提供してみたいし、住宅購入の経験を踏まえた今なら挑戦できるんじゃないかと思い、思い立ったその日にAmazonで参考書を注文し、翌々日には近所の地銀で願書を貰いました。
その時は既に7月、つまり3か月で受験ということで初学者には到底難しいスケジュールでした。自分なりに独学で頑張ってはみましたが、結果的には翌々年に合格を手にすることとなりました。
初年度の結果はわずか1点足らず。
これがかえって自分を奮い立たせることになりました。
それでは、ここから以下は本編となります。
宅建士試験の概要と合格基準点
宅建士(宅地建物取引士)は、不動産業界で活躍する国家資格です。合格後に宅建士登録を経て、宅建士証の発行を受けると晴れて宅建士を名乗ることができます。
宅建士には独占業務があり、不動産賃貸・売買の契約前に実施する重要事項説明を行うことができます。言い換えると、宅建士が存在しなければ契約を締結することができません。それほど重要な資格です。
そのうえ、不動産会社の各支店では営業の5人に1人は宅建士の設置が求められます。不動産業界で求められる人材になるのでしたら必須の資格と言えるでしょう。
宅建士になるには、毎年10月に実施される宅建士試験に合格する必要があります。試験は以下の4つの科目からなる、四肢択一マークシート方式の試験です。
試験科目と問題数・合格点について
- 宅建業法:20問
- 権利関係(民法など):14問
- 法令上の制限:8問
- 税・その他:8問
合計50問で、1問正解につき1点です。
宅建士試験の合格基準点は、その年の受験者の成績によって上下します。
過去5年間の動向を見ると、合格基準点は35点から38点で推移しています。
宅建業法は、宅建士の業務や媒介契約など、不動産業の運営や契約にかかる規定が出題されます。
権利関係(民法など)は、不動産取引にかかる民法上の規定やマンション等の区分所有法、不動産登記法について出題されます。
法令上の制限は、都市計画法や建築基準法、土地区画整理法といった不動産の建築にかかる法令が出題されます。
税・その他は、不動産にかかる税の知識や土地建物の基礎知識などが出題されます。
初学者はこれだけ読んでもサッパリですよね。
私もそうでした。
初学者が序盤から全体像を掴もうとするのはとても難しいです。
後述しますが、問題集の演習を繰り返し何度も行うことで、徐々に試験範囲に対する解像度が上がっていきます。最初は分からなくてもあまり気にせず進めていきましょう。
宅建士試験に独学で合格した私がおすすめする参考書と問題集!選び方や学習方法
宅建士試験は自分の学習方法にあった教材選びがとても重要ですが、様々な出版社から参考書が販売されており、どれを選んだらいいか分からないですよね。
私は独学で3年かけて宅建士試験に合格しましたが、その間に以下の教材を使いました。
3年間で使用した参考書
- LEC「宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト」と問題集
➡ 1年目に使用(2年目も同じものを使いまわし) - TAC「みんなが欲しかった! 宅建士の教科書」と問題集
➡ 3年目に使用 - 宅建試験ドットコム「過去問道場」
➡ 3年間とも利用(主にスマホ) - LECやTACの「直前模試」
➡ 2年目はLEC、3年目はTAC - その他フリー模試
➡ 予備校や有志が作成したもの。1年目から3年目まで利用 - Youtubeチャンネル「棚田行政書士の不動産大学」
➡ 1年目から3年目まで視聴
合格後に上記以外の出版社から発売されている参考書もチェックしたのですが、読みやすさと情報量のバランスが取れているのは「合格のトリセツ」でした。
合格した年に使用していた「みんなが欲しかった」はカラフルですが大変読みづらく、とりあえず使いましたが購入して後悔しました。
これから市販の参考書で学習される方は「合格のトリセツ」を購入しましょう。
基本的テキスト+分野別過去問題集の購入が標準的な組み合わせです。
試験対策に十分な時間投入が出来る方は、一問一答式で知識の深堀りが出来るとベストです!
試験問題は4つの選択肢から1つの正解(もしくは誤りを見つける・個数問題なども有り)である四肢択一式ですが、繰り返し解いていくと正しい選択肢を覚えてしまい、ほか3つの選択肢が目に入らなくなってしまいます。
筆者は1年目であと1点で合格というところまで迫ることができたのですが、2年目はかえって悪い結果になってしまいました。この原因が「過去問の答えを覚えてしまう」というもので、理解からほど遠い勉強となってしまっていました。
皆さんが二の轍を踏むことがないようお伝えしたいのは「周辺知識も含めて」「理解すること」が大事だということです。宅建は過去問を繰り返すだけでは合格しづらい試験になりつつあります。
学習初期は大まかな理解で良いですが、徐々に1つの選択肢ごとに理解を深めることを意識していきましょう。
学習の注力度合いについて
宅建士試験は年々難化傾向にありますが、どの年でも言える事としては「宅建業法が得点源である」という点です。
どの教材を利用する際も、宅建業法だけは1問も失点しないつもりで力を入れて学習を行いましょう。
次いで得点源となるのは「法令上の制限」と「税・その他」です。以前よりも得点しやすい問題は減りましたが、出題ジャンルが狭いので得点しやすい分野です。
一番得点が狙いにくいのは「権利関係」です。民法から出題されますが、試験範囲が広いため完全に網羅するのは困難です。
市販の参考書では主な出題範囲について触れていますが、それ以外の内容が出題されることもあります。
そのような面まで対策するのはコスパが悪いため、最善を尽くしたうえで分からない問題が出たら諦めましょう。
学習方法について
宅建士試験の学習方法は問題集の演習を中心に行いましょう。
市販の参考書で学習する場合、テキスト+問題集という組み合わせで学習を開始することになりますが、学習初期はテキストを読み込まなくても問題ありません。
初学者であれば、学習初期にテキストを読み込んでも最初はよく分かりません。時間の無駄ですので、問題集を1問でも多く解くことを優先しましょう。
オススメの流れは「宅建業法」の問題集からスタートし、一通り解き終えたら「法令上の制限」「権利関係」「税・その他」の順で解答していくことです。
テキストは問題集を解いても分からない問題が出た際の辞書代わりとして使用します。もし、分からないことのメモを取る際は、できれば問題集に対して行いましょう。
問題集は一度解いたら終わりではありません。その日解いた内容は半日後・1日後・3日後など近い日に何度も解きつつ、新しい問題へと進めるようにすることで記憶に定着させていきましょう。
隙間時間の活用方法
ここまでの勉強法は、時間的余裕の無いミドル世代には厳しいかもしれません。
何度も繰り返し問題集を解く時間が無い方は、移動時間やスキマ時間に以下のコンテンツを活用しましょう
棚田先生のYoutubeチャンネルはジャンルごとに整理された豊富な講義動画があり、1つ1つの動画が比較的短い時間で作られていることから、移動中でもサッと学習することができました。
宅建試験ドットコムは過去問演習において最強の学習ツールといっても過言ではありません。学習内容の管理や出題内容の調整に優れており、移動中にスマホで活用させていただきました。
「忘れないうちに繰り返し学習する」が合格に秘訣です!
いかがでしたでしょうか?
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