ケータイ・スマホのショップで勤務しているんですが
スキルアップに繋がる資格はありますか?
オススメの資格がありますよ!
筆者が取得したうちの1つについてご紹介しますね。
▼ まずは本記事を執筆する筆者についてご紹介いたします。
今回は筆者の過去に関する話を交えつつ、モバイル販売員の資格について触れていきます。
この資格は販売員でなくとも、モバイル業界への足掛かりとして最初に挑むのに良い資格です。ぜひご検討ください!
販売員としての筆者と業界の変遷
筆者はPCインストラクターとして勤務するよりもずっと前に、携帯キャリアショップに勤めていたことがありました。
当時の携帯業界は、各携帯キャリアが一人でも多く自社へ囲い込むために熾烈な争いを繰り広げていた渦中でした。
そのため、過剰な乗り換え施策が横行しており、「iPhoneの最新モデルが他社からMNPで一括ゼロ円!」みたいなことがあたり前。
そんな当時、キャリアが求めていた人材は以下のような人でした。
こんな人たちです。
分かる人には分かると思いますが、当時の携帯業界かどのようであったか、この3行で適切に表現できていると思います。
筆者はミジンコの精神でしたが、豊富な商品知識が大きな強みでした
筆者はこのような過度な競争が終焉を迎えるころに退職を決意します。
退職する理由の1つにもなったのですが、勤めてしばらく経った頃には以下のようなサービスが展開・強化されるようになりました。
ほかにも色々あった気がしますが、携帯キャリア各社は「家の電気から通信まで」「家族みんなで加入して」「支払いもまとめて」安くしよう!というコンセプトに変化していきました。
このように変化したきっかけは、NTT系の光回線が他社へ乗り換えしやすくなったことや、電気・ガスの自由化なども影響していたと記憶しています。
商材がこれだけ多岐に渡ると案内する販売員も大変です。スマホの販売時、修理時、契約プランの変更時など、断られる前提で上記のサービスを案内していました。
自分が勤めているココは何の会社だろう?
当時、こんな事を口にする同僚はとても多かったです。
それから現代にかけては「料金の値下げ」や「格安スマホ」の台頭などがありましたが、上記にみられるようなサービス提供は継続して取り組まれているようです。
雇用形態やインセンティブの制度によっては今でも非常に稼げる仕事ですが、今後携帯キャリアショップに就職しようとする方は、ケータイ・スマホのみならず、多岐に渡る商品知識を身に着けていく覚悟で挑みましょう。
なお、筆者は1,000台を超える販売を通じて興味が尽きてしまいましたので、週末の単発バイトでも二度とやるつもりはありません。
さて、ここから資格の話に入っていきますよ!
モバイル販売員の資格
モバイル販売員の資格とはどのようなものがあるでしょうか?
入社時点で色々と資格を身に着ける必要はありませんが、入社後は商品知識向上や接客スキル向上のため、以下のような資格を目指すことになります。
「携帯キャリア独自の認定資格」は、いわゆる社内認定資格で、取得すると給与が上がります。
難易度により様々な階級があり、資格保有者は階級に応じたバッジを付けるなど、販売員に対する箔付け要素もありますね。
「モバイルの知識向上に役立つ資格」は、モバイル業界に関連性のある民間資格です。
今回ご紹介する資格「MCPCスマートフォン・モバイル実務検定」がその1つで、商品知識以外にも押さえておきたい技術的な知識などを学ぶことができます。
「IT知識向上に役立つ資格」は「ITパスポート」のようなIT知識全般に関する資格です。
IT知識にうとい販売員がショップで末永く活躍していくのは難しいです。本記事で紹介している資格や、MOSのようなPC操作を学ぶ資格も取得したいですね。
MCPCスマートフォン・モバイル実務検定とは
現代において必需品となったスマートフォンなどのモバイル機器。
モバイル端末の利用シーンは、インターネットを通じた情報収集、SNSのようなコミュニケーション、Youtubeにみられるエンターテインメントなど多岐に渡ります。
一方で、どのスマホを購入すべきかという機種選択、サービス会社の選択、セキュリティ対策など、正しい知識が求められる場面が増加しています。
このような背景から開催されたのが「MCPCスマートフォン・モバイル実務検定」で、幅広いモバイル知識を網羅する携帯電話業界で唯一の知識認定資格として位置づけられています。
MCPCは「モバイルコンピューティング推進コンソーシアム」という団体名の略です。
同団体はモバイルの他にもAIやドローンなどの活用、いわゆるDX化を推進しています。
試験概要
MCPCスマートフォン・モバイル実務検定は、16歳以上であれば誰でも受検が可能です。
試験は会場のパソコンで解答する「CBT方式」で行われます。受験料は8,800円(税込)で、試験時間は60分、60問の四肢択一式試験です。
試験の目的は、モバイル端末の販売員など、技術系でないスタッフが業務上必要とされる基礎知識を身につけることです。
後述のテキストを出題範囲とし、「スマートフォン・モバイル端末の知識」「ハードウェアとソフトウェア」「関連サービス」「インターネット」「通信・通話の仕組み」「消費者保護」など、多岐にわたるカテゴリーと数問の時事問題から出題されます。
求められる知識のレベルについては、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が管理する指標である「ITスキルスタンダード(ITSS)」に基づくと、同資格はレベル1~2相当に位置づけられています。
ITSS レベル1 ➡ ITパスポート試験
ITSS レベル2 ➡ 基本情報技術者試験
出題範囲こそモバイルとその関連分野に限られ、基本情報技術者試験ほどの難しさはありませんが、無学習で合格できるレベルの試験ではないことに注意しましょう。
学習方法
MCPCスマートフォン・モバイル実務検定は、同団体が出版する「モバイル基礎テキスト」から出題されます。受験を決めましたら、モバイル基礎テキストを購入して熟読するようにしましょう。
なお、この試験用の問題集は販売されていませんが、テキストにサンプル問題が付属しており、試験サイト内にもサンプル問題があります。必ず確認して出題傾向を掴んでおきましょう。
この記事をご覧になっている皆さんが、携帯業界やIT業界に勤めていらっしゃるようでしたら、テキストの熟読+サンプル問題の解答で十分に合格点を取ることができることでしょう。
筆者は元々ハードウェアや通信規格の話題が好きでしたので、
テキストの素読だけで合格できました!
業界にお勤めでない場合は、上記に加えてIT系ニュースのうち、モバイルに関する記事を読む癖をつけておくと良いでしょう。ITmediaの記事は試験の出題範囲ともマッチしていてオススメです。
合格したあとは?
MCPCスマートフォン・モバイル実務検定に合格すると、以下のデジタル認定証が発行されます。(筆者が実際に取得した認定証ですが、個人情報は削除しています)
また、携行できる認定証として「スマートフォン・ケータイアドバイザーカード」を発行することが可能で、同カードには総務省後援の記述が入ります。
ただし、同カードは2年毎に2,200円の更新料金が掛かります。特に資格を持たないモバイル販売員の箔付けには良いですが、それ以外の方が所有するメリットはないでしょう。
なお、本検定の上位に位置づけられる試験として、「モバイル技術基礎検定」「モバイルシステム技術検定」といった試験が存在します。
これらはモバイルのソフトウェアやコンテンツ開発から、モバイルシステムの運用にも関わる内容を取り扱っており、1級ともなるとIPAの高度情報処理技術者試験に相当する屈指の難易度となります。
ゆくゆくはモバイルに関わる技術者として活躍したいという方であれば、IPAの実施する国家資格とともに、本試験の上位資格を目指してはいかがでしょうか。
さいごに
筆者はすでにモバイル販売員を引退した身ですが、販売員の中には「とりあえず売れれば良い」という人が多く存在しています。
そのような販売員から十分な説明を受けず、言われるがままに必要のない製品を購入してしまったり、不要なサービス契約をしてしまう消費者は未だに後を絶たず、悪質なものは行政指導となるケースも見受けられます。
ショップの戦略や方針として、特定の製品・サービスを利用してもらいたいという意向は必ず存在すると思いますが、いち販売員であっても提供側としての説明責任を一定果たす必要があるでしょう。
願わくば、多くの販売員が端末やサービスに関する正しい知識を身につけ、消費者にとって最適なサービス提供ができるスペシャリストを目指してもらえたらと思います。
ちゃんと理解してもらったうえでの販売活動は大変ですが、
そのような販売員にはお客様が付いてくるようになりますよ!
いかがでしたでしょうか?
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