賃貸不動産経営管理士に合格したんだけど、実務講習って何をするの?
近年国家資格化した「賃貸不動産経営管理士」。年を追うごとに難化傾向にあり、合格率も下降しつつありますので取得しづらくなってきていますね。
この資格は独占業務を持つ他の士業と同様、合格した時点では賃貸不動産経営管理士を取得したことにならず、取得の目的である業務管理者の要件を満たすこともありません。
具体的には、管理業務に関する2年以上の実務経験を有する場合は登録手続きのみで取得となりますが、実務経験を有しない場合については実務講習を受講する必要があります。
この講習ですが、宅建士とは異なりWebで検索しても教育機関で実施しているような記述がありません。
一体どのようにして申し込み、受講するのでしょうか?本記事では、実務講習の概要や受講内容について触れていきたいと思います。
あらためまして、本記事を執筆している筆者について紹介いたします。
※本記事は賃貸不動産経営管理士試験に合格した後の内容となりますので、受験を検討されている方は以下の記事を参考にしてください。
それでは、順番に解説していきましょう。
業務管理者の要件
賃貸不動産を営むにあたっては所有する大家さんのほかに、それを借りてもらうために販促・契約活動をする業者(例えばエイブルやハウスメイトなど)と、物件を管理する業者に分かれる事が多いです。
同一グループの別会社で販促と管理を分担していることが多いようです。
上記の登場人物のうち管理業者については、管理業務を行う際に「業務管理者」の設置が義務付けられるようになりました。
この業務管理者の要件の1つとして「賃貸不動産経営管理士」の取得が必要となります。
また、業務管理者の要件には例外があります。それが「宅建士」です。宅建士となっている方は、所定の実務経験を有するか否かに応じた講習を受講することで、業務管理者となることができます。
なお、宅建士ルートで業務管理者になる方法はあくまで暫定的措置であり、将来的には見直されて無くなるだろうと言われています。
そうなった場合、宅建士となっていても更に賃貸不動産経営管理士を取得する必要が生じます。
すでに宅建士となっていらっしゃる方で賃貸管理業にお勤めの方は、早めに業務管理者となっておくことをオススメします。
実務講習の申込方法
賃貸不動産経営管理士試験に合格した、もしくは宅建士で所定の実務経験を有しない場合に受講する実務講習は、賃貸不動産経営管理士のホームページから申し込みを行います。
受講料は20,000円(郵送受講の場合は25,000円)となかなかの高額です。
宅建士の登録実務講習の相場が20,000円前後ですので、その金額に合わせているのだろうかと感じました。試験合格後の講習が続いていた筆者にとってはなかなかの痛手でした。
受講方法
実務講習は以下の2段階に分かれています。
- テキストによる自主学習(18時間)
- eラーニングによる講習受講(7時間)
まずは実務講習の申込が完了すると、数日でテキスト・問題集・解答集・ワークブックの4冊が送付されます。
これらのテキストで18時間の自主学習をせよという事になります。
合格してすぐに実務講習を受講する場合、参考書で散々学習した内容とさほど変わりありません。
ついこの間まで学習していた参考書を、もう一度読みなおしなさいと言われている気分に陥りますが、頑張って目を通しておきましょう。
A4サイズに大きめの字なので、参考書より読みやすいのがまだ幸いです。
教材が届いてから4~5日程度経つと、eラーニングに必要な受講票が届きます。
受講票の案内に沿って、賃貸不動産経営管理士のサイト内で以下の3点をeラーニングで学習します。
- 維持保全の実施におけるオーナー等への対応に関する事項
- 管理委託契約に係る重要事項説明書・契約書
- 特定賃貸借に係る重要事項説明書・契約書
映像の中では実務上で注意したいポイントの解説や、ワークブックに基づく実習が繰り返しありました。
非常にタメになる話が多いですが、1人で黙々と進めるので正直ちょっと眠くなりました。
早送りやスキップは出来ない仕様になっているので、最後まで頑張って視聴しましょう。
修了試験について
分野ごとのeラーニングを視聴し終わると、修了試験を受けることができます。
この修了試験は10問中7問以上正解していれば合格で、「何度でも挑戦できる」という仕様になっているため、もし試験が不合格でも復習して何度も挑戦できます。
「しっかり復習してから再挑戦してね」という事だと思いますが、もう少し緊張感のある仕組みにされた方が良いと感じました。
すべての分野で合格すると実務講習は修了となり、合格証の発行を受けることができます。
合格証はペラペラで修了証もデータです。
もう少しどうにかならなかったのでしょうか?
修了試験合格~登録
修了試験合格後は、eラーニングと同様のサイト内にて賃貸不動産経営管理士の登録申請が可能です。
合格から1年以上経過してしまうと登録講習の申込が必要となってしまいますので、登録申請は速やかに行いましょう。
登録申請は宅建士に比べ非常に簡単です。サイト内で合格証データや写真データをアップロードすると共に、簡単なアンケートに答える程度で完了します。
登録完了後は、翌月末を目安に賃貸不動産経営管理士の登録証が届きます。到着まで楽しみに待ちましょう!
ちなみに、登録証が到着したあとは不動産業への転職を考えているでしょうか?
宅建士や賃管士は合格発表後に求人倍率が上がる傾向にありますので、転職を考えている方は早めの行動をオススメします。
求人取扱数の多い宅建Jobエージェントに登録しておいて、近隣の仕事だけでも早めに紹介してもらうようにしましょう。
せっかく取得した資格ですから、良い求人を見つけて活かしていきましょう!
いかがでしたでしょうか?
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